【あなたの人生、片づけます】断捨離のモチベーションアップMEMO

f:id:arasukkiri:20200909055616j:plain

 

【あなたの人生、片づけます】は私が断捨離にハマっていた時に、ネットでオススメされていたのを見付けてずっと読みたいと思っていた本だ。

 

あの頃から随分と時間は経ってしまったが、やっと私の手元にやってきた。

あぁなるほど、これは断捨離が捗るわけだ。噂通り最終章はウルリときた。

 

物じゃなくて何を残そうか

 

妻に先立たれ、家事も片付けも出来ない職人気質な男のところへ片付け屋はやってきた。誰がこの男の面倒を見ているかというと、他所に嫁いだ娘である。

片付け屋の策略で男が自分のことをやるように仕向けるが、今まで家事をやってこなかったので当然何もかも分からない。そんな時、近所の人が手を貸してくれた。

 

「ここの美津子さん(男の亡き妻)が元気だった頃、お義母さんが色々とお世話になったみたいなの。その御恩返しってこともあるの」

美津子が目に見えない財産を遺していってくれたのかもしれない。(P132)

 

私が断捨離をした時、物を集めていたエネルギーみたいなモノの行き場がなくなって少し虚無感があったのだけど、このシーンを読んだ時に「そうか、目に見えない財産を積み上げれば良かったのか」と納得してしまった。

 

また別の章では、老後が心配で物を捨てられない女性に対して、片付け屋はこんな言葉を投げかけている。

「老後の安心のために残すべきは、物ではなくお金ではないですか?」(P232)

 

これは年配の人間じゃなくても使える言葉だ。

私も「いつかスーツで行かなきゃならない仕事があるかも」とリクルートスーツを何年も捨てられなかったのだけど、似たようなことに悩んでいる人への『いざ必要になったら買えるお金を封筒に入れて置いておけば良いんだよ』ってネットのアドバイスを見てスーツを処分することが出来た経験がある。

 

ちなみに、その”いつか”は未だ訪れていない。

 

この章は正論が多くて思わず耳を塞ぎたくなる内容が多かった。だけど「耳が痛い」とワーワー喚いた後は不思議と片付けたくなってくる。

「使っていない蒲団は干さんとカビは生えるし埃は溜まるし、和服も年に一回は風を入れんといかん。それだけでも歳とともに骨が折れるようになってきたもんなあ」

「そんなことに時間を使うのもったいないって、母さんなら言うだろうね」(P233)

 

本当にね。

仕事に行って、着る服を整えて、ご飯を作って、食器を洗って、掃除機をかけられる時にかけて、たまの休みは布団を干して…普段の生活をこなすだけでもヒーヒー言っているのに、使わない物のケアまで手が回るのか!?って話ですよ。私は無理だ。

 

だけど、大事するぞ!いっぱい使うぞ!と決心して買った物だって失敗に終わってしまうこともある。そんな時は…

「そう暗くならないでください。買い物って難しいんです。衝動買いじゃなくて、ちゃんと考えて買ってもこうなることがあります。最もまずいのは、見るたびに、「ああ、無駄遣いしてしまった」と後悔して落ち込むことです。見るとつらくなるものは、処分した方が精神的にもいいんです」(P66 一部改変)

 

★★★★

私も体が動けるうちに親に物を処分しておいて欲しくて、断捨離を促すのだけど、上手いこと躱されてしまう。そりゃ、今すぐに死ぬとは思ってないけど、体も頭もどんどん鈍くなって、10年後20年後なんて今の何倍も片付けが負担になるのになあ。

 

私は両親が素直に「そうやなあ」と納得できる優しい言い方を知らないので、この本を贈ってみようかな。読み終わった今、そんな風な気持ちになっている。

 

あなたの人生、片づけます [ 垣谷美雨 ]

価格:712円
(2020/9/9 05:48時点)