彩瀬まる

【不在】(著:彩瀬まる)

【不在】(著:彩瀬まる)を読了。 私、彩瀬まる作品に対する期待値がすごく高いんですよ。【あのひとは蜘蛛を潰せない】を初めて読んだ時に「本当すごい作家を見付けちゃった」って思ってから。だからなのかな、それ以降に読む本は「うーん」と思うことが多い…

【やがて海へと届く】この作品が良しと思えるほど、まだ過去の事になっていない

【やがて海へと届く】(著:彩瀬まる)を読了。 名前は出てこなかった(と思う)が、津波や地震などのワードから東日本大震災を描いていることが読み取れる。 親友のすみれが一人旅の途中で震災に遭い、消息を絶って3年になる。 すみれのかつての恋人から「形見分…

【桜の下で待っている】故郷が面倒くさいなんて普通だと思っていた

【桜の下で待っている】(著:彩瀬まる)を読了。 「故郷」をテーマにした短編5作。 「故郷」と聞くとどこか母性だったり、色で言うと暖色のようなイメージを抱く。だけど実際は、「故郷」が誰にとっても温かく帰りたくなるような場所であるとは限らない。 煌び…

【神様のケーキを頬ばるまで】幸福と不幸の境界線

【神様のケーキを頬ばるまで】を読了。 彩瀬まる作品もついに4冊目か~と得意気になっていたら、調べてみると結構たくさん本が出ていた。まだまだだ。まだまだ楽しむことが出来る、嬉しい。 小川洋子さんの『アンネ・フランクの記憶』というエッセイで、「中学時代に…

【骨を彩る】”普通”の呪縛

【あのひとは蜘蛛を潰せない】という小説で”彩瀬まる”に出会ってから、すっかり彼女の文章にハマッてしまっている。心にジクジクと沁みる感じがすごく好みだ。 【あのひとは蜘蛛を潰せない】や【骨を彩る】、読み終えた後にタイトルがしっくりくるところも好…

【あのひとは蜘蛛を潰せない】自分の中にいる生き辛さ怪獣の正体

彩瀬まるサンの本は2冊目だ。 今回感想を残す【あのひとは蜘蛛を潰せない】は、先日読んだ【朝が来るまでそばにいる】と一緒に購入し持って帰ってきた作品。 私にとって初の彩瀬まる作品である【朝が来るまでそばにいる】はなかなか独特な世界観で「ずいぶん…

【朝が来るまでそばにいる】その感情の名は”欲情”

コロナウイルスの影響でここ3カ月ほど本屋へ行くのを控えていた。 先日やっと本屋へ行くことが出来たが本に触れずに1カ月経ってしまっているので、短編でリハビリしていこうと【朝が来るまでそばにいる(著:彩瀬まる)】を手に取った。 収められた短編は人…