宮下奈都

【遠くの声に耳を澄ませて】(著:宮下奈都)

【遠くの声に耳を澄ませて】(著:宮下奈都)を読了。 本作は12作品の短編からなる小説である。短編連作、と言えるほど大きな重なりはないけれど、見覚えのある名前が別の作品にも出てくるようなそんな仕掛けもなされていた。 【遠くの声に耳を澄ませて】の短編…

【窓の向こうのガージュウィン】(著:宮下奈都)

【窓の向こうのガージュウィン】(著:宮下奈都)を読了。 未熟児として生まれ、身体も細く小さく、人の言葉もハッキリと聞き取れない主人公は、劣っていること、足りないこと、に慣れていた。そのことに悲しい気持ちなどなく、ただただそれが当たり前だと生き…

【羊と鋼の森】最初は、意志。最後も、意志。才能がなくたって生きていく

【羊と鋼の森】(著:宮下奈都)を読了。 高校生の時、偶然ピアノの調律に魅せられた外村は、調律師を志し、調律師として就職することろまで漕ぎつけた。 調律師の仕事は単に狂った音を整えるだけではない。お客(依頼人)が「綺麗な音」「優しい音」「クッキリし…

【誰かが足りない】思い通りにいかない人生を生き抜くヒント

【誰かが足りない】(著:宮下奈都)を読了。 実はずっと資格の勉強をしていたから本を読むのは1ヶ月半ぶりで。前回更新したものは、読み終えてメモだけ取っていて、勉強に行き詰まったタイミングで更新したものだったりする。【誰かが足りない】はひと月以上開…

【田舎の紳士服店のモデルの妻】挫折を知らなかった妻の愚痴

【田舎の紳士服店のモデルの妻】(著:宮下奈都)を読了。 夫が鬱になり、小さな子ども2人いる家族4人で、東京から夫の実家がある田舎へ移り住んだ女性(妻)の10年の物語。 この作品を『解決策のない愚痴を延々と聞かされている気分になった』と評していた人がい…

【太陽のパスタ、豆のスープ】人生のハンドルを自動操縦から手動に切り替えて

【太陽のパスタ、豆のスープ】(著:宮下奈都)を読了。 宮下奈都さんの作品を読むのは初めて。文庫本の裏表紙のあらすじを読んで、鬱々しい今の雰囲気に爽やかな風を吹かしてくれるかもしれない、と手に取った。 物語は主人公の明日羽(あすわ)が婚約破棄をされ…