恩田陸

【ブラザー・サンシスター・ムーン】(著:恩田陸)

【ブラザー・サンシスター・ムーン】(著:恩田陸)を読了。 映像作品は2種類に分類できると思っている。起承転結がハッキリしていたり、何か伝えたいメッセージが含まれている作品。それと、物語に起伏がなく、脚色もなく、ただ淡々とフィクションと感じさせないように作…

恩田陸の【EPITAPH東京】に寄せて、地方民から見た東京

『EPITAPH東京』(著:恩田陸)を読了。 EPITAPH(エピタフ)とは『墓碑銘』を意味する単語らしいが、それを知ったとていまいちピンとこない自分の経験値や知識の少なさが悲しい。 あらすじにはこう書いてある。 東日本大震災を経て、刻々と変貌していく《東京》…

『夏の名残りの薔薇』は恩田陸が書く『去年マリエンバートで』

恩田陸の『夏の名残りの薔薇』を読み終えたので、感想を。 『嘘をつくコツは、本当を混ぜることである。』 100%の嘘はすぐにばれてしまう。上手な嘘とは真実を混ぜて、嘘と真実の境目を曖昧にしてしまうことだ。 さて、夢と現実がごちゃまぜになった経験…

『図書室の海』に収録『春よ、こい』を解説してみた。

『図書室の海』恩田陸 の感想です。全10話の短編集。 ※ネタバレあります。ご注意ください。 恩田陸さんの『夜のピクニック』という作品が好きで、その作品の番外編が読みたくて手に取ったのですが、他の作品の方が読み応えがありました。 「もうネタは出し…

『Q&A』恩田陸 あなたにとっての真実は事件の真相ではない

恩田陸「Q&A」を読み終えました。 これ面白い…!「対話体形式」といって対話・インタビューの書式なんですが、読んでいてめっちゃドキドキした。 「Q&A」の内容は人間の脆さだったり、都合の良い記憶の書き換えだったり… 恩田陸さんが多くの作品を通し…

『中庭の出来事』恩田陸、私なりに解説してみた。【感想】

『中庭の出来事』恩田陸 を読みました。 正直、最後まで確信めいたものを持てずに読んでいたのですが、読み切って良かった。 最後まで読めばわかる! こういうちょっと捻りがある作品を「ひーひー」言わずに読めるようになりたいものです。 ではでは『中庭の…

今見ている世界は現実か?『月の裏側』恩田陸【感想】

恩田陸の『月の裏側』を読みました。 あれれ?私、このタイトルに似たの付けたことあるぞ? honnosukima.hatenablog.com 実は『月の裏側』の主人公は『不連続の世界』と同じなのです! 2作読み切って、多聞(主人公)シリーズはもしかしたら一貫して同じこと…

『不連続の世界』人は思い込むと抜けられない。今見ている世界は本当に現実?【感想】

恩田陸作品の『不連続の世界』を読み終えましたYO! 単純に各章がミステリーとしてとても面白いんですが、最後まで読んで全てが繋がった時「ハッ!」となりました。 この感覚がとても気持ち良かったです。 『不連続な世界』あらすじ 妻と別居中の多聞を、三…

恩田陸『夢違』夢の可視化は現実・夢・夢現の境界線を曖昧にしてしまうのかも【感想】

夢が映像として残せる世の中になるとすれば、精神医学はもっともっと発展するんだろうか。 『夢違』はそんな夢が映像に残せる技術、そして映像を解析する職業が存在するようになった世界の話です。 事件解決に関係者の夢を用いようとするんですが、『夢=深…

動き始めたらもう止められない!痛快コメディ『ドミノ』恩田陸

恩田陸『ドミノ』を読みました。 タイトルの付け方が秀逸すぎる~~!!! 事件がスタートしたらもう、誰も止められない。その様はまさにドミノ! 疾走感たっぷりの痛快コメディーです。 『ドミノ』あらすじ 1億円の契約書を待つ締切直前のオフィス 下剤を盛…

文章から書き手を感じたことある?恩田陸の『三月は深き紅の淵を』

『三月は深き紅の淵を』恩田陸 はち(8)がめちゃくちゃ好きな作品の1つです。 でも「さっぱり意味が分かりません」みたいな意見も見るので、人を選ぶ作品なんかな? 私は読み終わった瞬間「うぉ~っ!おもろい!もう一回読もう!」ってなったんですけどね。…

長編で読みたくなる恩田陸の短編集『朝日のようにさわやかに』

どうも、はち(8)です。 時間がない時は短編の方が手軽で良いですね~。 長編を読んでて良いところで時間切れ…。 「今から!今からがおもしろいのに…!!!」 こんな思いをしなくて良いように、時間がない時(でも本を読みたい時)には短編をチョイスします…

恩田陸『夜のピクニック』朝を迎えたらきっと1つ成長できている。【感想】

恩田陸さんの『夜のピクニック』読みました。 あ!『夜』の文字のところに月がある!気付かなかった! 私が「歩行祭」に実際に参加したワケじゃないのに、すごい達成感です。 気持良い、超気持ち良い…! 静かに静かに物語が進むので、残りページが少なくなる…