世の中、特に女性の中には年を取りたくないなと思う人が多いのだろうけど、20代の私は早く中年と呼ばれる年齢になりたい~~!って思うことが多々ある。
可能性が無限大だからか何なのか知らないけど、もっと頑張れる!今の頑張りが将来を左右するのよ!なんて圧力を感じずにはいられない。それがしんどい。
褒め称えられるような能力は持っていないし、平凡オブ平凡な日常なのかもしれないけど、普通をこなすのに頑張っている。大学受験だって、フルタイムで働くことだって、当たり前なことかもしれないけど、ライフの消耗が0なわけじゃない。頑張ってる。だって疲れるもん。
「若い子は可能性がたくさんあるから頑張らなきゃね」みたいなこと言われると、『頑張ってないわけじゃないのに』って気持ちと『だけど将来のためにもっと頑張らなくちゃ』って気持ちで胸がぐるぐるする。
「今さら足掻いてもどうしようもないね~」って自虐できる年齢に早くなりたいとさえ思う。
★★★★
何となくフリーターを続ける”るか”はやり手キャリアウーマンの叔母と同居をすることになる。
叔母さんは50年近く生きてきて自分軸を持っているのか、バリバリ働いて社会を知っているからか、発言に迷いがなくて、るか同様わたしも正論パンチをもろに受けてしまった。
フリーターのるかを諭すシーン
「これをやりたいという具体的な希望を持つこと。それが難しければ、これならやれるという自信を持つこと」(P75)
叔母の自信がありありと溢れているセリフだと思う。彼女は自信も夢も持っているんだろう。
就活で夢や能力を自問自答しなきゃならないじゃない?私、あれすごく苦手だった。
だって何かのスペシャリストになろうなんて思ったこともなければ、誰に言っても褒めてもらえるようなすごい特技なんて持ってない。ただ”普通の生活”をしたいのに人と違う何かを持ってなきゃいけないのかー!?って。
だけど、叔母さんはやっぱり出来た大人で、るかの話を聞いた上で意見をくれる。るかは納得したりしなかったり。叔母さんもるかに納得したりしなかったり。
叔母さんの問い掛けに、るかがどうしてなんだろう?どうしたいんだろう?って自問自答するんだけど、その様子に『人生の舵をどちらに切るのか決めるにはどんなことを考えていけば良いのか』のヒントがあるような気がした。
★★★★
がっつりネタバレしてしまうけれど、2人はこんな意見で合致する。
「自慢できるような、カッコよくて、大好きな天職じゃなくてもいい。いやでいやでたまらない仕事じゃなきゃ、十分よ。頑張れる自分でいられるのが一番なんだから。それでストレスがたまったら、遊びに行けばいい。ジタバタすればいいのよ」(P336)
就活の時にこの言葉をもらえていたら、どれほど安心できただろうと思う。
早く決まった友人に焦って、大企業に決まった友人に焦って、お祈りに落ち込んで。
実際は第一志望じゃなくても、やりたいことじゃなくても、嫌なことじゃなけりゃお金も貰えるし意外と何とかなるよって教えてあげたい。
大学生なんてまだ20ちょっとだもの。その時の自分にとってのベストを選んだつもりでも、好きなことも得意なこともどんどん変わっていくよね。
現状キープって立ち止まっているように感じてしまうけど、そんなことないんだって。
年齢や時代と共に周囲の人の意見も変わるし、環境だって変化する。変化に対応しようとしているんだからただ突っ立っているだけじゃない。
先頭じゃなくても良い。列について行くだけでも良い。
とりあえず歩いていれば、景色も変わるし、場所も変わる。これだ!ってものに出会える可能性が生まれる。
『歩き出さなきゃ、どこにも行けない』(P341)
努力家の人には甘っちょろいなー!って思われちゃうかもしれないけど、意識低い系の私には「夢や目標を持ちなさい」と言われるよりもちょっと頑張ってみようかなと思わせてくれる、優しく背中を押してくれる本だった。
とりあえず、働きマンも主婦も学生も、社会で戦うみんなー!今日もおつかれ!
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