頭固くなってない?騙されてない?伊坂幸太郎の『ラッシュライフ』

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どうも、はち(8)です。

伊坂幸太郎の『ラッシュライフ』を読みました。

 

あ~、時空が歪む~。目が廻る~(笑)

 

思考がカチカチになってることを実感。

読み進めてるけど「話わからん…。」って人は騙されたと思って絶対最後まで読んで欲しい。

 

私も物語が理解できたのは終了50ページ前くらいだったから。諦めないで!

 

それでは伊坂幸太郎ラッシュライフ』の感想いきまーす。

 

あらすじ

泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。

幕間には歩くバラバラ死体登場―――――。

 

並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今上がる。

 

【ネタバレ有り】『ラッシュライフ』感想

ラッシュライフ 』は次の五つの視点で物語が進む。

 

  1. 拝金主義者の画商 戸田と、彼に振り回される新進の女性画家 志奈子
  2. 空き巣に入ったら必ず盗品のメモを残して被害者の心の軽減をはかる泥棒の黒澤
  3. 新興宗教の教祖にひかれている画家志望の河原崎と、指導役の塚本
  4. それぞれの配偶者を殺す計画を練る女性精神科医 京子とサッカー選手の青山
  5. 四十社連続不採用の目あっている失業者の豊田

 

彼ら・彼女らの物語のスタートはみな同じである。

「あなたの好きな日本語を教えてください」と書かれたプラカードを持つ白人女性とウロウロしている汚れた老犬に出会ってうシーンからそれぞれの物語が始まる。

 

そしてもう一つの共通点は『バラバラ死体』

あの人の章ではバラバラ死体なのに、この人の章ではくっついている!?

同時刻っぽいのに、あの人も死体を持ってるのに、この人も持ってるの!?

 

はい、パニック~!(笑)

 

最初はね、辻褄が合わなさすぎて死体が何体もあるんじゃないか?

って疑っちゃったんだけど、もうね~物語のスタートから騙されてたんですよね。

 

思い込みが謎を深める

 

何でそれぞれの登場人物たちの描かれている日にちが一緒だと言い切れるの?

 

  • プラカードを持つ白人女性
  • 汚れた老犬

って共通点は同じ日に同じ場所に居たってことじゃないの?

 

私も何にも疑うことなく、どの登場人物も同じ日の物語なんだと思ってました。

本当、頭固いわ~(笑)

 

白人の女性が立っていたのは一日限りとは限らないし、

老犬だってたまたまそこに居たのではなく住み着いてたのかもしれないよね。

 

 

がっつりネタバレをすると彼らは同日に同じ場所に居たわけではないのだけれど。

こういった頭で作った映像と物語にズレが生じるのって本当面白いよね。

 

 

各々のキャラクターの物語が深められていくにつれて、別キャラクターのと接点が出てきてます。

宝くじ・ロッカーキー・拳銃・首輪などなど…

 

そこでやっと、「あれ、これ同時進行じゃなくて、話がリレーになってる?」って。

 

そう気付き始めると、死体がバラバラになったりくっついたり消えたりと、不可解で腑に落ちなかったことが一気にぐわぁぁ~と解決していきます。

 

やられた!って気持ちとスッキリ!って気持ち。良い読了感です。

 

まとめ

伊坂幸太郎ラッシュライフ』の感想でした。

 

パズルがぱちりぱちりとはまっていく音が聞こえた気がした…。

とかカッコいい感想を言ってみる(笑)

 

嘘。気付いてから残りページが少なすぎて、「あ、ええ?あ~…」ってあっという間に終わってしまった。気付いてから終わるまでの短さよ(笑)

 

もっと「引っ掛けには気付いてますよ~(ドヤ)」気分を堪能したかったよ~。

 

伊坂幸太郎作品だから、絶対もっとたくさんヒントがあると思うんだよな~。

オチというか、流れを知った上で、次は伏線に注目して読んでみたい。

 

いや~、気持ちのいい作品だった。