地球、滅亡するんだってよ。『僕たちの終末』【感想】

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機本伸司さんの「僕たちの終末」を読み終えました。

 

今から感想をつらつら述べていくんですが、その前に萎えること言っていい?

私ね、この人の作品読むといっつも後悔する。

 

「面白いのくるぞくるぞ…おい論点どこいった?」って最後はいつも提示した問題の答えがハッキリしないでモヤッとして終わる。

 

私には作風が合わないのかもしれない。

でもせっかく読んだので、備忘録として感想を残しておきます。

 

地球滅亡するんだってよ。宇宙船つくって一緒に脱出しない?

時は2050年、太陽活動の異常により人類に滅亡の危機が迫る。

 

ネット上には〈宇宙船をつくりませんか?〉という怪しげなサイトが立ち上げられており、出資者とスタッフが募集されていた。

 

スタッフになったり、お金を出資してくれた人には、つくった宇宙船で地球を脱し新しい星で共に過ごす権利が与えられるそうだ。

 

そんなあからさまな詐欺サイトに瀬川那由の父はお金を振り込んでしまう。

那由は父のお金を取り戻すために、スタッフとして申込み首謀者との接触を試みるのだが…

 

「時は過ぎ…」みたいな描写はずるい!

紆余曲折あって、那由と父はサイトの首謀者(神崎正)と協力して宇宙船を作ることになります。

 

最初はね、結構おもしろいんですよ。

 

  • お金が必要なら会社を立ち上げよう!とか。
  • 宇宙船の設計をして他者やすごい人達に協力を依頼しに行ったら、「はい、論破」と言われんばかりに否定されたり…。
  • 地球脱出っていうのは国際問題だから国にイチャモンつけられたり。

 

宇宙に行くのは技術面だけじゃなくて、困難だらけなんだなあというのがちゃんと伝わってくる。

 

登場人物たちは癖が強くてプライドもあるから、やり取りもバチバチ感があって個人的には楽しかったり。

 

新しい星に住むってロマンがあるじゃない?

だから凄腕の人も仲間に加わったりなんかして、宇宙船の設計描写に関してしつこいくらいにすごいページ数があってね・・・

 

よっしゃ設計は済んだから次は組み立てやで~ってページをめくると

 

7年の時が経過し、船は完成していたのでした。

 

( 'ω' )ファッ!?ってならん?

「宇宙船を造りませんか?」で集まってるんよ?ここ省いたらアカンでしょ。

 

SFっていうより哲学的な何か、なのかも

主人公の正は宇宙に行くことが目的か…?と思いきや、

文明(自然遺産など)を映像化して持っていけないかと画策する場面があるんですよね。

 

別に生きるためにはいらないですよね。まだ娯楽映画持って行った方がマシでしょ。

 

地球を脱出して宇宙で生きるってことは、何もかも0からのスタート

彼はコレを利用したかっただけなんじゃないかと思うんです。

 

最低限、人間に必要なこと・ものを知って「人間とは何か?」を知りたかったのではないか?と個人的には結論付けました。

 

だったら試験管ベイビーでも作って、娯楽を与えるor与えないとか比較サンプルを大量に作ってれば良いのに!

 

別に「人間とは?」ってテーマでも良いんですけど、だったら宇宙船の設計に関してしつこすぎ。

持ち込み量に制限がある持ち物とかに焦点があっても良かったかも。(人は何を取捨選択するのか?わかるよね)

 

「人類が宇宙へ」ってテーマなら製造過程スルーしすぎ。

 

どっちの視点でも中途半端かな。

ただ「エラーの原因は全て人間にある」って描写は共感できたし気に入りました。

 

「地球滅亡」ってシチュエーションを取り扱った作品はたくさんあります。

私は伊坂幸太郎終末のフール が読みやすいし面白いと思いました。

 

読了▶伊坂幸太郎『終末のフール』を読んだら自分の生き方を問われた気がしたよ

 

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