「ドッグ・ラン」樋口明雄 を読みました。
私、結構好きな作品でした。スリリングで疾走感があってエンターテインメントっぽさのある作品ですごく読みやすかったです。
「おすすめ 本」で検索して出てきた本を選ぶことも多いんですが、検索して誰も挙げていなかったことが不思議なくらいです。
だから私がココでオススメしときます(笑)
太陽に吠えろのテーマ曲が頭の中で鳴り出したのは私だけじゃないはず
横浜関内で貧乏な探偵稼業を営む鯉沼と鷹羽。
酔いつぶれて目が覚めた二人の首には爆弾が巻かれていた。銀行から一千万円強奪しなければ四十八時間で爆発すると脅迫する謎の男。しかたなく銀行を襲った二人は警察とヤクザに追われるはめに。
事務所の忠犬マーロー&探偵コンビの痛快大活劇。
銀行強盗をやらされた後、警察や暴力団から追われながら事件の真相に迫るサスペンス的な一面と、とあるアイテムをめぐって起こるアクション的な展開に魅了され、物語に惹き込まれていった。
【ネタバレ有り】「ドッグ・ラン」感想
まず主人公である鯉沼と鷹羽がユニークで魅力的なキャラクターである。
それだけでなく彼らを取り巻くキャラクター達も愛着を感じずにはいられない程良いキャラをしている。
人を助けるために奔走するタクシー運転手の鴨下道夫、探偵事務所の一員であり彼らを信じて奮闘する陽子、そして情報屋のラッツ。
特に鴨下は物語のほぼ頭から登場し、彼らに献身的に協力し、警察から逃げるシーンではなかなかの男気を見せてくれる。
読み進めていくうちに可愛い弟分のように感じてしまった。
あるアイテムが激走劇の引き金を引く
首に巻かれた爆弾を外すため、謎の男の指示通り銀行強盗をやり遂げた2人。
しかしひょんなことから1千万円の入ったバッグとくまモンのぬいぐるみの入ったバッグが入れ違ってしまう。
鯉沼と鷹羽が偶然手にしてしまった”くまもん”。これが彼らの激走劇の始まりだった。
なんと”くまもん”には裏社会の秘密を暴くマイクロチップが隠されていたのだ。
これにより2人は裏社会の人間からも追われることとなってしまう。
銀行強盗の罪で警察に追われ、”くまもん”のせいで裏社会の人間に追われる。
そんな状況のなかで2人は、首に巻かれた爆弾を解除するために謎の男に繋がろうと奔走する。このスピード感がたまらなくワクワクし、飽きさせるヒマを与えない。
裏社会を描いた作品は以前『グラスホッパー 伊坂幸太郎』でも読んだことがあるけど、『ドッグ・ラン』の方がエンターテインメント性に溢れていて、灰くらいイメージも少ないです。
「ドッグ・ラン」よりもっともっと残忍さが欲しい!って人には『グラスホッパー』をオススメします。
色々仕掛けのある作品ではあるんだけど、メインストーリーがすごい暗いから私は読んでいてかなり気分がへこみました。
価格:637円 |
私は精神がおこちゃまだから(笑)「ドッグ・ラン」の方が好きだなあ。
「ドッグ・ラン」の登場人物たちは皆、男気にあふれている。女性である陽子でさえも強気でナヨナヨするシーンは見られない、カッコいいキャラクターなんです。
忠犬マーローもきちんと役割を持っていて、置物の立ち位置なんかでは決してない。
出てくるキャラクターがみんなきちんと機能していてすごく良かったと思う。何より作品のテンポが最後まで失速しないので最後まで一気に読んでしまった。
価格:810円 |