偶然を運命にするんだ!『夜は短し歩けよ乙女』森見登美彦

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天然ちゃん、不思議ちゃんがモテる理由がココにあり…!

無自覚な小悪魔ってアカンずるいな~~。

あ~もう、不思議ちゃんたまらん…!

 

珍事件は起きるし、主人公は相変わらず貧乏くじ引きまくり体質やし

がっつり森見登美彦ワールド!って感じで

ワイワイ・ガヤガヤめっちゃ楽しかったです。

 

京都の実在する場所をモデルにしているそうなので、聖地巡礼とかしてみたい!

 

あらすじ

 

「黒髪の乙女」にひそかに想いをよせる「先輩」は、夜の先斗町に、下賀茂神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。

けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する”偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。

そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。

キュートでポップな恋愛ファンタジーの傑作!

 

「先輩」を応援せずにはいられない、どたばたラブコメの開幕、開幕~。

 

【ネタバレ有り】『夜は短し歩けよ乙女』感想

「黒髪の乙女」と”良い仲”になりたい「先輩」。

彼女とお近づきになりたい彼は、まずは彼女の視界に入るべく、彼女をストーキング!

 

なるべく接点を持って「あれ?この先輩よく会うわ。運命かしら?」作戦である。

 

しかし、「黒髪の乙女」の好奇心と行動力はけた外れ!それに加えて天然ときた!

 

こんな場所で!頻繁に!会えるわけないのに!

「奇遇ですねぇ」と「先輩」の努力がまったく伝わらない…!くっ…。

 

気付いてあげてくれ~!

 

でもこういう『追いかけさせる』っていうのが天然でできちゃうのがモテるんやろな~。と第三者なのでしみじみ。

もし当事者(追いかける側)だったらって考えるとゾッとしたわ(笑)

 

意中の相手のために懸命になるものの、何故だか相手と微妙にすれ違ってしまう彼は『ザ・不憫なヒーロー』というところ。

そんな愛されるべきキャラクターの彼に声援を送りたくなる読者はきっと多い。私もそんな1人である。

 

『学園祭』にてやっと関係が少し前へ

  • 象の尻の展示
  • ゲリラ公演
  • 韋駄天コタツ

作品に触れたことのない人はなんのこっちゃって感じですよね~。

一言で言うと『森見登美彦ワールド全開の学園祭』ってこと。

 

ぶっ飛んでて、騒がしくて、何か笑っちゃう。そんな学園祭。

キャラクターが濃すぎて、ほんと騒がしいの(笑)

 

好奇心旺盛なプリティーガール『黒髪の乙女』はゲリラ公演に巻き込まれ、なんとヒロインを務めることに!

 

ヒロインに指名されて「私がやらなきゃいけないわ…!」って

なんでそんなとこに使命感感じちゃうんだよ~~。ぶっとび~(笑)

 

しかし、「黒髪の乙女」の好奇心がやっとここで「先輩」に味方する!

「先輩」もゲリラ公演に参加することになり、劇中でなんと「黒髪の乙女」を抱きしめることができたのです!(ひゅ~!)

 

そしてついに最終章へ

「先輩」に対しての感想が「よく会う人」から「抱きしめ合っちゃった人」に変化した「黒髪の乙女」。

 

「先輩のことを考えるとぼーっとしちゃうわ…。」

 

普通『ドキドキ』でしょ(笑)

相変わらず不思議な感性だけど、それは恋です!私が断言します。

 

最終章でもてんやわんや珍事件に巻き込まれながらついに…!

『こうして出逢ったのも、何かの御縁。』by黒髪の乙女

 キターーー!!!

 

彼の努力が報われて、ここまで読んできた私も救われた気がしたよー

本当によかった。

 

 

「あんた一期一会という言葉を知っているか。それが偶然のすれ違いになるか、それとも運命の出逢いになるか、すべては己にかかっている。」(P.231)

 とあるように彼は自らの努力で運命を手に入れたのだ。

 

運命は作れる…!えぇ言葉や…。

 

きっとお付き合いできてからも「先輩」は「黒髪の乙女」に翻弄されるよね。

でもそれも何だか可愛くて、読み終わったらほっこりしちゃえる作品でした。

 

まとめ

夜は短し歩けよ乙女』の感想でした。

 

それにしても「黒髪の乙女」 を手に入れるのに、これほどの困難が待ち構えていたとは……。

 

でも彼女のずれた性格がめっちゃ可愛く描かれてて、これはハマってしまったら抜け出せないな~って女の私でも思いました。

 

天然・不思議ちゃんがモテる理由がここにアリ!(笑)

映画化【夜は短し歩けよ乙女 DVD 】もされたみたいなので、すごい気になってる。