短編かと思って手に取ったら、ショートショートだった。
1話だいたい10~20ページくらいなんで、ちょっとした空き時間や、読書に慣れてない!って人にオススメかな。
ショートショートって初めてなので、すぐに終わって「えっ!」ってなりました(笑)
だけどよく考えると、こんな短い文章量に物語の起承転結がちゃんとあるってすごい!
頭に映像が浮かぶ文章だな~…と思ったら百田尚樹さんって放送作家をされていた方なんですね。なんか納得。
物語の雰囲気としては、まさに「世にも奇妙な物語」っぽい!
「世にも奇妙な物語」によくあるゾクゾク感や最後の最後に大どんでん返しがくる感じが好きなんだったら、絶対楽しめる作品ですよ。
あらすじ
「ご主人の欠点は浮気性」帰宅すると不倫相手が妻と談笑していた。
こんな夜遅くに、なぜ彼女が俺の家に?二人の関係はバレたのか?
動揺する俺に彼女の行動はエスカレートする。
彼女の目的歯何か?平穏な結婚生活を脅かす危機。
愛する人の“秘密”を描く傑作集!
ショートショートなんで、19ものストーリーがあります。なので気に入った話を2つだけ。
「生命保険」と「ブス談義」を紹介したいと思います。
【ネタバレ】『幸福な生活』感想
「生命保険」
【簡単なあらすじ】
主婦の淳子。一流大卒、美人OLとして活躍していたものの、三流大卒、中小企業勤めの夫、裕之と結婚。
もともと淳子は、イケメンの男(松本)に惚れていたが、ある晩、店でチンピラに絡まれ、そこで男気を見せた裕之と結婚することに。
- この旦那が抱える秘密とは…?
- 敦子が発見してしまった物とは…?
これはね、想像がつきませんでした。結婚したいからってそこまでやる?というのが正直なところ。
だけど森見登美彦の小説『夜は短し歩けよ乙女』という小説に「偶然を運命にできるかどうかは自分次第」とあるので、彼は運命を作っただけなのかもしれません。
好きな子に男気を見せたくて、でもそんな強さを持っていない。そんな時にどんな手段であれば男気をアピールできるでしょうか。考えたら裕之の秘密が見えてくるかも…?
私からすると、付き合ってすぐ白状するか、隠すなら絶対!ぜ~ったい!死ぬまで隠して欲しいなと思いますけどね。
でもフラッシュモブとか一般的になってきてるからナイ話ではないのかな?え~怖い…。美人のみなさんは騙されないように気を付けてくださいね。
▽『夜は短し歩けよ乙女』▽
価格:604円 |
「ブス談義」
【簡単なあらすじ】
医者の由宏。妻の真美(鈴木京香似)は30代なかばだが、20代に見えるほどの美人。由宏はこの妻の真美を自慢している。
由宏は女の価値=容姿と考える男で、女を見ては仲間とブス批評を繰り返す男。
美人の真美と結婚、ブス嫌いの由宏だが、彼の悩みは自分の娘がブスなこと。
妻の真美が美人なのに、なぜ、娘がブスなのか、由宏はその理由をついに知ることに・・・。
何番煎じ?という感じではあるけれど、単純に私はこういう話が好き。
もうあらすじでオチが見えちゃってるよね。
同窓会でかつての同級生に「容姿で人を見るのやめたんだ…娘が容姿悪くてさ…」って語るシーンがあるんですが・・・
うーわ(笑)って感じ
「(苗字)っていたじゃん、超ブス」
「そういえば真美の苗字って…。」
って男が真実に近づくシーンが最高にゾクゾクしました。
「でも、人は見た目じゃないんだもんね?ね?」って言ってやりたい~~!
まとめ
ばれちゃう秘密がどれもマイナスな内容ばかりなので、ハッピーな秘密が織り交ぜてあればその落差でもっとヒヤヒヤできたかもな~って思います。だけどそこが世にも奇妙な物語っぽい。
あと、個人的には押されているのであろう「幸福な生活」と「夜の訪問者」は正直イマイチに感じたかな。
初めはショートショート形式に物足りなさを感じてちょっと不満があったんだけど、振り返ると短いからこそ無駄がなくスピード感が出ていたんだと思う。
その結果、思わずページをめくってしまってアッという間に読み終わっちゃう作品でした。