どうも、はち(8)です。
もうね、この本は私の気持ちを代弁してくれてる!
「結婚しないんだったら、キャリアウーマンじゃないと…」
誰がそんなこと決めたの?
- 恋愛をしている
- 結婚をしている
- バリキャリ
そんな人じゃなくたって「幸せ」って言っても良いじゃないか…!
何で結婚しない人生だったらマイナスだと判断されないといけないんだ。
恋愛・結婚の優先度が高くないのに「結婚しなきゃ」って昔ながらの固定観念に苦しんでいる人は、気持ちがちょっと楽になれる作品です。
では、平安寿子『恋愛嫌い』の感想です。
あらすじ
女の世界は恋の話題で溢れている。でも、なじめない人間だっている。
恋愛願望がなく、感情に溺れられない29歳の喜世美。
猫と同居し、ブログでだけ自分を解放できる26歳の翔子。
勤続12年、次長の肩書きもあるベテランだが「前向き」が嫌いな35歳の鈴枝。
男とつきあったことがないわけじゃないけれど、恋愛は苦手------ そんな女性たちの本音をリアルに軽やかに描き、明日へのエールをおくる小説集。
【ネタバレ有り】『恋愛嫌い』感想
「恋愛がしたくないわけじゃないんだけれど、毎日生きていたら恋愛から遠ざかっていて、かといって恋愛に積極的でもないし…。」
という3人の女性のお話です。
「そう!そうなのよ!」って共感ポイントがたくさんありましたよ。
女性の社会進出が言われるようになってから、結婚を選ばない女性は『仕事に生きる』女性として見られがちですよね。
でも私はあんまりこの考え方に賛同できなかったんです。
まるで女性の幸せは『結婚』か『仕事』の2択からしか選べないみたいだなって。
本当はもっといろんな選択があっていいはずなのに。
でも現実は「負け美女」という言葉があるくらいだし、女性と恋愛を切り離して考えるのは頭で考えるよりずっと難しいのかもしれない。
どれだけ多くの人に好きになってもらえるか、良い人に好きになってもらえるか
女の価値はそこに重きを置きがち。
「私にとって恋愛って必要不可欠じゃないの」とビシっと言ってしまえるのがカッコいい。
出産しない女は国に貢献してない?
ネットの海をうろちょろしていると、心無い言葉にぶち当たってしまうこともあります。
私が見たのは選択子なし夫婦に対する意見でこんなのがありました。
「子供を産むことは国に貢献すること。将来的に税金収めるんだし」
…うわぁ
確かに「子供は国の宝だ!」って聞くよ?でもコレ違くない?
独身者だって税金収めてますけど…
子供手当を受け取らない、幼児医療費免除も受けない、教育費の免除も拒否する…
税金で賄っている手当を一切受けない人にしか言う資格ないかな。
かつて大臣が「女は産む機械」と発言して猛バッシングを受けたことがあるんだけど、
この言葉とほぼ同義だと思うんですよね。
「機械」っていうのが冷たい印象なんだろうけど「女性は子供を産むのが仕事です(それが一番貢献できることだから)」ってことでしょ、コレ。
この大臣の発言が小説内でも言及されています
『一人で生きちゃ、ダメですか』という章では翔子がと大臣の「女性は産む機械 」という発言に対してこんな風に述べています。
人口減少を本気で危惧しているのなら、人口を増やすために女性たちが進んで「産む機械」になるようなシステムを国策として作ればいいと思う。
妊娠可能年齢の女全員に、定期的に子作り休暇を与える。まとめて気持ちのいいリゾート地に送り込み、事前アンケート調査で選び出した「寝てみたい男のタイプ」を取り揃え、とっかえひっかえ、ひたすらやりまくっていただくのである。男に選ぶ権利はない。女が「産む機械」なら、男はしょせん、種馬でしょ。
そして「産む機械」の役目は、孕んで産んだら終わり。育てる苦労は国がやる。
なかなか過激な発言だとは思うけど、どう感じます?
これは大臣の男尊女卑に対しての意見なんだけど、
さっきの「子供は国に貢献!」って人はどう思うのかな…
こうやって生まれた子供と、好きな人と出来た子供が同じ価値なんだって本当に思うんですか?って聞いてみたいわ。
他にも「結婚=女の幸せ」と考える女が出てきたり、
男をたらしこむのが頗る上手い女がいたり。
現実にいる女性の描写が見事で、「あぁ…」ってなるんだけど(笑)
最後まで読むと、ガチガチに固められた価値観がすこし緩和される気がします。
「幸せ」というものは他人に決められるものじゃない、ということを改めて実感させられます。
自分らしく生きれることが「幸せ」なんだ、そんなメッセージのつまった作品だと思います。
まとめ
以上!平安寿子『恋愛嫌い』の感想でした。
現実では口に出したら反感を買ってしまうようなことを、バンバン言い合っているのが最っ高に共感できました。
何より社会人になってからの会社関係無しの友人関係とか羨ましすぎる。
恋愛そのものを否定したいワケじゃない、でもそんなに頑張れない。
恋愛至上主義で生きにくい世の中やわ~って思っている女性には共感間違いない1冊です。