【感想】『メシアの処方箋』機本伸司 欲張って1番伝えたいことが埋もれてしまった気がする

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『メシアの処方箋』を読み終えました。

くぅ~~!疲れた!!

 

私の集中力の無さが原因ですか?それにしたって情報量がエゲツないです。

本作を読んだことある人はしんどくなかったんですかね?

 

と、頭をパンパンにしながら、「この作品は私には早かったんじゃ…」と心が折れそうになるのを耐え抜いて読み切ったので感想を残しておこう!

 

『メシアの処方箋』機本伸司 あらすじ

ヒマラヤで氷河湖が決壊した。下流ダム湖に浮かび上がったのは、なんと古代の「方舟」だった。こんな高地になぜ文明が?

いかぶる調査隊をさらに驚愕させたのは内部から発見された大量の木簡。それらにはみな、不思議な蓮華模様が刻まれており、文字とも絵とも判然としなかったが、なんらかのメッセージを伝えているのは確かだった。

一体、何者が、何を伝えようというのか?

『メシアの処方箋』感想 ネタバレ有り

初っ端からがっつりネタバレしますが、発見された木簡に刻まれていた蓮華模様は”何らかの生物のDNA”であることが判明します。

「これは古代人からの何らかのメッセージではないか?」と主人公たちはこの生物を生み出すことに奮闘します。

 

「塩基情報、コドン、アミノ酸・・・。」生物を専攻していない私には、もう目が回ってしまいそう~

実はこの内容を理解できる必要はなくて、「生物の誕生は複雑なのよ~」ってことなんですけど、理解の出来ない単語の羅列はなかなかしんどかったです。

 

『文字を見落とすべからず』精神で読んでしまうのはミステリー好きの性かな。

 

ちょっと欲張りすきじゃないかな?

未知なる生物は解明した遺伝子を人間のお腹に宿して誕生させます。

人にそんなことをさせて良いのか?生物を化学の力で作りだすのは良いのか?

 

さらに誕生した生物には不思議な力が宿っていて、人々が『仏様』と崇拝するようになるんです。

 

倫理・宗教・化学・文明のジャンルが含まれるので、ちょっと欲張り過ぎじゃないかな~という印象でした。

これは情報量が多くならざる得ない…!でもどれが要らないか?って聞かれると答えられないんだけどさ~

 

フィクションにありがちな反則技にはレッドカードを!

「情報量大すぎ…!」って言うのは私の読解力の無さも原因だと思うんで別に受け入れられているんですけど、1つだけ許せない案件を発見!!!

 

この複雑な化学式を解明する最中に「生物を誕生させるには一寸の狂いもあってはいけない。(だから情報をたくさんくれ!)ってやり取りが生物誕生を目指す仲間内であったんです。

でも生命が誕生した後で、重要な情報が記されたモノが見つかるというシーンがあって

 なんだよ~、君たちただのラッキーボーイじゃないの!って思っちゃいました。

 

誕生したメシアに古代の人間から託されたメッセージもわかんなかったし。解説読んでもピンとこなかったなあ…。

 

機本信司さんの作品、好きだし面白いとは思うんですけど。スピード感もあるし。

ただ、どの作品も、最初に提示された議題と結末がちょっとずれるので好き嫌いは分かれそう。

私もこの作品はダメかもなあ…。

 

同じ化学を題材にしていてもこっちは好きだったんだけど。

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自分の救うべき人が、自分にとっての救世主になる

と解説にありました。このセリフの意味は理解できるけど、こんなシーン作中にあったっけな?う~ん…?

 

”化学式に頭の容量を持っていかれた”感はあるので、化学に強ければもっと楽しめた作品だったのかもしれません。